ドラッグストアの店頭に

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ドラッグストアの店頭に「マスク入荷未定」の張り紙を見るようになって久しい。
最近は手製の布マスクをつけている人も見かけるようになった。
高値の転売も横行する中、ないなら自分で作るという発想は前向きでいいなーと思ってはいるが、針仕事が大の苦手で、作ろうという気にまではなかなかならない。

そんな中、実家へ帰ったらハハが手作りマスクを作っていた。
新型インフルの時も、去年父がインフルにかかった時もマスクなどしなかったハハ。
ついにマスクをするのか!しかも手作り!と驚いたけど、聞いてみたらやはり普段はつけないらしい。やっぱし。
ふいに出る咳でも睨まれたり怒られたりする昨今、トラブル回避と周りへの配慮のために作ったのだとか。
今回のコロナには効果は期待できないと言われている布マスクだけれど、確かに何もないよりは全然いいか。

ミシンと端切れを引っ張りだし、型紙をプリントアウトして作っている様子は案外楽しそうで、もはやウイルスとか何とかいうより作る事を楽しんでいるのでは…?というフシも。
こういう所が自分に遺伝しなかったのは悔やまれて仕方がない。

子供の頃はよくハハに服やおやつを作ってもらっていた。
私のもののみならず、人形の服もあれこれ作ってもらったなあ。
しかし当時は凝った作りの既製品や、キラキラした色のおやつに憧れたものだった。
今思うと贅沢言うな~!とアタマを叩きに行きたくなるが、三つ子の魂百までとは言ったもんで、子供のころ刷り込まれたハハの感覚は今の自分に色濃く影響を与えている。

ハハに作ってもらった服の中で一番凝った作りのものは、ピアノの発表会用に作ってもらった茶色のワンピース。
胸の部分は編み上げ靴のように縦に2列ハトメ穴が並んでいて、紐で結ぶような作りになっていた。
スカートのシルエットも大人っぽいキレイなものだったと記憶している。
多分自分がリクエストしたものだったと思うけど…、作るのは相当大変だっただろう。
イヤ、実際大変やったと言っていたような気もする…。

手作り服や手作りおやつの事を思い返すと、それをありがたい事だととさほど感じなかった当時の自分への「分かってない子やねえ、はぁ〜」という残念な気持ちとか、子供の頃の色んな事とか、もうずーっとずーっと過去に遠ざかっていった景色が思い出され、懐かしいような悲しいような何とも言えん感情が湧いてくる。

あんたのマスクも作ったろか?と聞かれて最初は面倒だろうと思い断ったけど、やっぱり作ってもらうことにした。
私の選んだ布は「そんな地味なんにするの〜?」とかぶつくさ言われたけど、出来上がったらなかなか可愛らしいマスクになった。(写真)
数十年ぶりに手にしたハハの手作り品、コロナ禍が過ぎてから使おうと思った。